日本再生③ 緊縮財政政策の罪 [平和外交]
「日本再生」のカギは経済成長である。少子高齢化社会では経済成長は望めないと説く学者や政財界人が多いが、経済を知らないと告白しているようなものである。日本経済衰退の現状とその原因を探ってみよう。
1.デフレ対策を誤って、衰退した日本
図は名目GDPの推移である。1996年~2015年までの20年間、米国は2.5倍、中国は10倍以上になったが、日本はマイナス成長である。もしも日本が米国並みの成長を遂げていれば、現在の名目GDPは、円換算で1000兆円を優に超え、社会保障の財源問題などは生じなかった。
20年間何をしてきたのか?橋本内閣以降、デフレにもかかわらず、財政再建一辺倒。リーマンショックや消費税増税でマイナス成長になると、小出しの財政出動を繰り返してきた。
デフレ時に、正しく積極財政を採用していれば、GDPで中国に抜かれず、世界2位を維持できたはず。まさに失われた20年である。
2.緊縮財政政策の罪
図は、OECD加盟33か国における、年平均財政支出伸び率と、年平均GDP成長率の相関図である。財政支出伸び率とGDP成長率はほぼ比例しており、相関関係は非常に高い。
日本の「緊縮財政・ゼロ成長」が大変に痛々しい。原因は、少子高齢化ではなく、政府の緊縮財政政策と構造改革路線の誤りである。
3.日本経済再生と構造改革路線の罪(次回詳述)
4.まとめ(筆者提案)
①黒田日銀総裁に代表されるリフレ派は、金融をじゃぶじゃぶにすれば、金利が低下し、経済が活性化して、物価が上昇すると主張するが、間違いである。積極財政政策との併用が必須だった。
②日本の人口減少は年0.15%程度。人口がもっと大きく減少している国が、ジョージアなど十数か国あるが、経済は成長している。ゼロ成長を人口減少の精にはできない。
③日本は生産年齢人口が減少して、確かに人手不足である。人手不足は世界的に稀で、実はチャンスである。政府の投資が先導し、民間の投資が追従する、一人当たり生産性向上で解決するのが良策。
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