大雨が降る [詩・俳句・エッセー]
8月3日~7日は、七十二候の「大雨が降る」。よく現れる線状降水帯は、積乱雲が帯状に連なってできていて、その大きさは50~200kmにもなる。
難儀する小川のメダカ大夕立
夕立は夏の午後によく降るにわか雨で、短時間に川が泥水であふれることがある。川の生き物が濁流をどう遣り過ごすのか心配だ。
老鶯に心預けて山路かな
うぐいすは春の季語だが、老鶯は夏に季語。上手になった鶯の鳴き声を聞きながらの山歩きは心地よい。
コラム 聖域なき構造改革
聖域なき構造改革とは何か。行政改革、公務員制度改革、規制改革などなど、改革の氾濫である。中身は、人員削減、予算削減、公共サービスの削減など、緊縮政策と新自由主義政策ばかり。
改革はインフレ時には有効だが、デフレ時に改革しても経済成長にはつながらない。
タカブシギ 撮影:鳥好閑人さん
涼風が立ち始める [詩・俳句・エッセー]
8月8日~12日は、七十二候の「涼風が立ち始める」で、立秋の初侯にあたる。ところが、矛盾したことに、「涼風」、「涼し」は夏の季語になっていて、晩夏の暑さの中でふと涼しい風を感じる意味である。8月8日前後は、夏と秋が入り混じって、一線を画せないのだと思う。
秋立つや茗荷の花のひかり満つ
● 秋の二十四節気と七十二候
「秋」の季節を表わす時候は下表のようになっている。二十四節気は半月毎、七十二候は5日毎に決められている。これらは四季の変化を美しい言葉で表した農事歴である。
四季 |
二十四節気 |
七十二候(注1) |
旧暦 |
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秋 |
初秋 |
立秋 8月8日 |
涼風が立ち始める |
葉月 |
蜩が鳴き始める |
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深い霧が立ち込める |
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処暑 8月23日 |
綿を包むがくが開く |
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ようやく暑さが鎮まる |
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稲が実る |
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仲秋 |
白露 9月8日 |
草露が白く光る |
長月 |
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鶺鴒が鳴き始める |
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燕が南へ帰ってゆく |
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秋分 9月23日 |
雷が鳴り響かなくなる |
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虫が土中の穴をふさぐ |
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田の水を干し始める |
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晩秋 |
寒露 10月8日 |
雁が飛来し始める |
神無月 |
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菊の花が咲く |
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蟋蟀が戸の辺りで鳴く |
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霜降10月23日 |
霜が降り始める |
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小雨がしとしと降る |
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もみじや蔦が黄葉する |
注1)七十二候の表現を文語から常用語に直した
コラム NHK党の存在理由はない
NHK党は、「年金受給者のNHK受信料無償化」と、スクランブル放送の実現を公約とし、しかも「NHKをぶっ潰す」と公言している。
NHKは公共的報道機関として、国民に代わって、政府の権力を監視し、暴走を止める役割を担っている。新聞購読料と同様、受信料は国民からの委託料である。
したがって、受信料無償化や選択的受信制度は筋違いで、NHK党の存在理由はないと思う。
ヒヨドリ 撮影:鳥好閑人さん
蜩が鳴き始める [詩・俳句・エッセー]
8月13日~17日は、七十二候の「蜩が鳴き始める」。ひぐらしは夕暮れ時に「カナカナ」と、もの悲しい声でなく蝉で、絶滅が危惧されている。
蜩や夕日をまとう座禅堂
木漏れ日の雑木林にかなかなかな
ひぐらしは座禅堂や雑木林がよく似合うと思う。
コラム 日本の公務員比率は最低
公務員たたきが激しい時期があった。地方公務員も含めて過剰で無駄だという。本当だろうか?公務員比率は中国45%、米国27%、ドイツ21%、日本11%。災害時には国民の命を守る存在を邪見にすべきではない。
小さい政府志向と、貨幣プール論に立つと、公務員も忌むべきコストに見えるのだろうが、公務員の給料はGDPを増やす要素である。
ヒヨドリ 撮影:鳥好閑人さん
深い霧が立ち込める [詩・俳句・エッセー]
8月18日~22日は、七十二候の「深い霧が立ち込める」で、二十四節気「立秋」の末侯にあたる。
霞は春の季語だが、霧は秋の季語。朝霧、夕霧、夜霧、狭霧、濃霧など詩的な言葉が多い。
草の戸やぽつりと一軒霧の中
霧晴れて見目麗しき摩崖仏
ぽつりと一軒や見目麗しきは、手垢のついた言い回しで少し気が引ける。
コラム 貨幣観の是正が日本を救う
国民の9割以上が貨幣観を間違えている。現代の貨幣発行は有限の貯蓄のプールから借りて発行するのではなく、無から信用創造している。
国債発行は、政府の貨幣発行であって、国の借金でも次世代へのツケでもない。企業や家計の借金と違って、返す必要はなく借換えでよい。だから政府は財政破たんしない。積極財政で日本を救おう。
イスカ 撮影:鳥好閑人さん